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売らないお店
アメリカシリコンバレー発の体験型店舗(ベータ b8ta)が昨年8月都内に2店舗オープン(日経新聞より)
販売を目的にせず、体験して気に入ればネットで購入というビジネスモデル。小売店を通さず直接消費者に販売するD2C Direct to Consumer(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)「※ネット上の自社サイトを中心に販売する」から更に進化したモデルのようです。
どうですか?いまいちピントこないですよね?ベータ b8taってググってみました。
店舗運営に必要な、家賃(スペース代)、従業員の手配、スタッフのシフト管理、在庫管理、物流費がすべて付帯サービスのサブスクリプションモデルとして月額課金制となっていて、商品知識を学んだベータ側のスタッフが接客、説明して体験してもらう。「いいね」となったら、ネットを通して購入してもらうとのこと。
イノベーター理論で言うところのアーリーアダプターまでを狙った集客ですね。
イノベーター理論とは
新しいモノ・サービスが世の中に普及する過程を5つのグループに表したもの。
1、イノベーター 全体の2.5%
最先端が大好き。メリットやスペックはそれほど気にしない。
2、アーリーアダプター 全体の13.5%
トレンドに敏感。情報収集して、具体的なメリットを重要視する。
3、アーリーマジョリティ 全体の34%
新しいモノに対して比較的慎重。平均よりは早めに行動する。
4、レイトマジョリティ 全体の34%
大多数が行動したのを確認してから動く
5、ラガード 全体の16%
ほぼ普及してから行動する。
全体の16%の「新しいモノ好き」を集客するビジネスモデル。果たして日本でも普及していくのか?興味を持って追っていきたいと思います。
売らない営業
20年以上前に多機能掃除機を訪問販売で売っていた時の話をします。
まずは電話営業で「ふとん3つを1000円でそうじします。」とアポイントを取ります。アポイントを取った家で「ふとんそうじの実演」をすると、引いてしまうほどのホコリや汚れが取れるので、
「どうしたらいいの?」となります。
そこで、「ほとんどの方が高いと思う金額で定期的なそうじ契約の話」をします。「じゃあそれでお願いします。」となるケースもあるのですが、一定数が「やりたいけど予算的に厳しい。」となります。
そこで「条件があるのですが、会社に交渉して安くやる方法があります。」と伝えれば、その条件が知りたくなります。
その条件は「自分でそうじすること。」
できるか出来ないかテストクロージングをかけます。イエスと答えたら、「会社に交渉する演技をします。」
そして
「何とか特別に了承が得れた」と伝え、定期的なそうじより安い金額でローンを組んでもらいます。
長い目でみれば、定期的にそうじ契約を取った方が良いのですが、営業マンの歩合給は売った方が高く、会社の目的も掃除機を販売することでした。
売らないチラシ
さてやっと本題です。
売り込みチラシを配っても基本的には反応が取れません。
初めて会った人に「これ凄く良いんで買ってください。」と言われても、あなたは買いませんよね?多くのチラシがコレをやってしまっています。
なのでキャッチコピーで「これって私のことだ。」と思わせ、チラシに目を通してもらい、「欲しい」と思わせることが大切です。
チラシには売る以外の目的が存在します。
そしてチラシにはもうひとつ「大きな役割」があります。
それが「知ってもらうこと。」知ってる商品なら知らない人からでも買います。知らないサービスでも知っている人からなら買うんです。
あなたのことを知ってもらう。
あなたの商品・サービスを知ってもらう。
なぜ今の商売をやっているのか知ってもらう。
お客さんにどうなって欲しいのか知ってもらう。
どうなれるのか知ってもらう。
知ってさえもらえれば、
売り込みをかけなくても、「近くだし一度行ってみよう。」「私のケースだと対応できるのかしら、一度問い合わせてみよう。」となります。
そのためにやって欲しいことは、
本当にあったお客さんの声を載せること。
「あなたがお客さんから言われた感動したエピソード。」
「お客さんに感謝されたエピソード」
をチラシに載せる。
「私もこうなれる」かも と想像してもらうことです。
人は物語に反応します。そして物語は、不思議と信用されます。
まだ物語がないなら、
「なぜ今の商売をやっているのか」語ってみてはいかがでしょう。
「お客さんにどうなって欲しいと思っているのか」語ってみてはいかがでしょう。
売らないチラシでも反響が取れるんです。
後は継続してできるかどうかです。
継続することの重要性
普通のチラシポスティングはアーリーアダプターまで(全体の16%)しか反響が取れません。※もしくは「今すく行動しなければならない」差し迫った理由がある場合。
人間の脳は3回以上の接触回数がないと「重要なこと」とみなしません。
ほとんどの人がこの事をちゃんと理解できていません。
定期的にチラシを配り知ってもらうことで信用して(安心して)アーリーマジョリティ(全体の50%)まで反応が見込めます。
更に「行ってみた」「良かった」との口コミが広がればレイトマジョリティ(全体の84%)も取り込めます。
1,2回チラシを配って思ったような反響が取れずあきらめた。どんなに「もったいない」ことなのか理解してもらえて良かったですww
ちなみにラーガードの人は言うなれば「いまだにガラケーを使っている人」なのですが
あなたの思いに「共感」すればファンになってくれます。一生涯のお客さんになります。
浮気もしませんw